ソウル特別市「マウル共同体総合支援センター」「ソウル市役所」「ソンデコル」よりお話を伺いました(2014.9.30~10.02)

昨年、私たちは韓国・ソウル特別市にある、住民の共同出資で次々と地域づくり事業を生み出しているコミュニティ「ソンミサン」を訪問しました。

そのほかにも、私たちが目指す「おたがいさまコミュニティ」の取り組みに参考になる活動事例が、ソウル特別市には、まだまだたくさんあるとのことで、ソンミサンのような地域活動を支援する機関と、ソウル市役所の方からお話を伺い、支援先の「ソンデコル」という地域にも訪問してきました。

その中からまずご紹介するのは、ソウル特別市が、住民自治の活動を支援する機関として設置した、「マウル共同体総合支援センター」 http://www.seoulmaeul.org/ (韓国語)

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センター名にも入っている「マウル」とは、日本語に直訳すると「村」という意味になりますが、ここで使われている「マウル」は意味が異なります。

『あなたが考える「マウル」という言葉の定義と範囲を教えてください』 ここから、センターの方のお話しは始まりました。

ソウル特別市では、「マウル」を「住民が日常生活を営みながら、経済・文化・環境などを共有する空間的・社会的範囲」と定義し、

さらに「マウル共同体」は「住民自治共同体」、「マウル共同体づくり」は「地域の伝統や特性を継承・発展させ、地域の人的・物的資源を活用して住民の質を高める活動」だとしています。

このセンターでは、住民が自主的に「マウル共同体」をつくり、そしてお互いがつながり、成長していく一連の流れ支援しています。

センター内には、市内の各区の中で、どんなマウル共同体が活動をしているのかを一目でわかる地図「ソウルのマウル、育っています」や、「隣人と一緒につくる、幸せなマウル」といった垂れ幕もありました。

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次に、ソウル特別市の担当官の方より、市役所の立場からの「マウル共同体支援」について、お話を伺いました。

市役所やセンターでは、マウル共同体支援における役割を「提案とバックアップのみ」だとしています。市民が活動しているうちに発生する問題は、その地域内でお互いに解決ができるようにする。

行政は、そのための基盤づくりを行っているそうです。

「市と市民の想いは同じでも、使う言葉や表現が違うとうまくいかないこともある。市と市民の通訳になるのが、マウル共同体支援センター。『マウル共同体支援』の取り組みは、継続してくことが重要であり、行政が焦って評価するのではなく、住民が主体的に活動することを支援したい」とおっしゃっていました。

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このあとは、実際にマウル総合支援センターが支援しているマウルでもお話しを聞きたい!と、「ソンデコル(성대골)」というマウルにもお邪魔してきました。

ソンデコルはソウルの中心よりやや南西側、銅雀区(トンジャッ区:동작구)にあります。

同区はソウルを流れる河(漢江)に面しているのですが、その中でもソンデコルは山側に位置しているため、坂が多く、少し不便です。その理由から、取り組みの以前には地域を出ていこうとする人が多かったそう。

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「この街をより住みやすくしたい」と、地域の主婦たちが、地域の図書館兼児童保育所となる施設を作ったことから、マウルの活動が始まっています。

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マウル活動の中心は、こどもの教育とマウル内の節電の呼びかけです。
今では、こどもたちが学校の授業で各家庭の電気使用量を調べて、節電を呼びかけいています。

さらに「エネルギースーパーマーケット」という、電気に関する情報を得られる場所もあります。

ここでは特に地域の商店に節電を呼びかけ、チラシを配布したり、「節電のためには建物の構造から見直した方が効果的である」といった、節電のための情報を提供しています。

元々、スーパーでは冷蔵庫1つ分を賄うほどの小さな太陽光発電パネルを販売していましたが、今後はさらに自立した活動を行おうと、太陽光発電と売電事業も計画中だそう。

このマウルの様々な取り組みは、ソウル市からも表彰を受けています。

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ソウル特別市の市政スローガンは、「一緒に作るソウル、一緒に味わうソウル」 (함께 만드는 서울, 함께 누리는 서울)。

「一緒にソウル -市民と共に、世界とともに」(함께서울 -시민과 함께,세계와 함께)http://www.seoul.go.kr/together/(韓国語)

「市民が市長」、「市民が一緒に行う希望の話」 というキャッチフレーズで、市民の声を聴く「応答所」をアピールする広告も、街中でたくさん見かけました。

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おたがいさまの精神が広がると、幸せが広がる。ソウル特別市は、私たちの取り組みが理想とする姿を実践していこうとしているのではないか、と感じました。

この視察で学んだことを、これからのプロジェクトに生かしていきたいと思っています。