「研究交流編」シンガポールを訪問しました(2016.01.11~16)

2015年9月末で、具体的な研究活動を終了した「おたがいさまコミュニティ」形成プロジェクト。

本プロジェクトの国内外の展開可能性をみすえ、また海外との研究交流・国際共同研究促進を図るため、シンガポールへ交流・意見交換/現地視察を行いました。

学んだ内容を「研究交流編」と「視察編」に分けて、ご紹介します。

>>「視察編」はこちらhttp://active-aging-community.info/?p=653

~「研究交流編」~

シンガポールでは、人口の約8割が公団住宅(Housing & Development Board (HDB) )で暮らしています。

HDBには、華系、インド系、マレー系、など複数民族が隣り合って住んでいます。これは人々が民族の壁を越えて「シンガポーリアン」として地域で共生するように狙った政策の一つです。

しかし、都市であるといったことや、生活習慣・言語の違いも関係し、近所との付き合いは希薄のようです。また、移民、高齢化、貧困など様々な課題があり、その解決に「コミュニティ形成」「多世代交流」の活動が注目され始めているそうです。

この「コミュニティ形成」は、「カンポン・スピリット」(カンポン:Kampung はマレー語で「村」の意味)という考え方として広まっています。

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今回は、コミュニティ形成に関する取組を行っている大学・政府系機関・NPO関係者に対し、本プロジェクトで行ってきた「おたがいさまコミュニティ・ワークショップ」を開催し

シンガポールにおいても、本プロジェクトの研究・活動成果が役立つことができるか、また、もっとよりよい取組に仕上げていくことができないか、意見交換してきました。

今回のワークショップの実施・視察については、シンガポール国立大学(National University of Singapore)の日本研究学科(Department of Japanese Studies Faculty of arts and social Sciences)のタン・レンレン先生(Dr. Thang Leng Leng)にコーディネートいただきました。

タン・レンレン先生は、2015年の夏、福岡で本プロジェクトを視察いただき、さまざまな意見を頂いたご縁があっての実現です。

シンガポール国立大学(NUS)では、Centre for Sustainable Asian Cities, School of Design and Environment において、プロジェクト・リーダーの小川全夫先生よりプロジェクトの背景説明がなされました。

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その後、NUS内の the College of Alice and Peter Tan において、Japanese Community Engagement Workshop“The Otagaisama(Reciprocal) Community Tool” と題し、「おたがいさまコミュニティ・ワークショップ」を実施してきました。

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詳細はこちら>> http://www.fas.nus.edu.sg/jps/research/12Jan2016%20-%20Japanese%20Community%20Engagement%20Workshop.pdf

参加者は、NUSの学生を始め、シンガポール政府主導で作られた組織で政府と地元地域を繋ぐ、シンガポール社会開発協議会(Community Development Council: CDC) や The People’s Association (PA)といった団体 、教育機関である Institute of Technical Education、都市計画を行う URBAN Redevelopment Authority の方々、計27名の参加がありました。

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短い時間でしたが、参加者それぞれが知恵を振り絞った結果、出てきたアイデアは「持ちかえって実践したい」「いいアイデアだから他の人には見せたくない」といった意見が出るほどでした。

 

翌日は、国家社会福祉協議会(National Council of Social Service : NCSS)の “31st Integrated Eldercare Network” において、プレゼンテーションの時間をいただき、プロジェクト・リーダーの小川全夫先生が登壇してきました。

超高齢社会を迎えるにあたり、どのような対策が必要なのかといった事例やグラフ、映像を流すことで、会場からは声が上がり、質問も寄せられました。

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また、同日にはNCSSのコーディネートにより、The CFAAプロジェクト(the City for All Ages) のメンバーが参加してくださいました。MINISTRY OF HEALTH SINGAPORE、各地域において住民と直接コミュニケーションをとっておられるNPO団体の方々などです。

そのみなさんに、プロジェクトの説明と「おたがいさまコミュニティ・ワークショップ」を行いました。

「どうやって、参加者を集めますか?」

「この取組は経済的には、どんな効果が期待できると言えますか?」といった、現場の方々らしい、鋭い質問がでていました。

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2回の研究報告とワークショップの実施を通し、多くの方に本プロジェクトや住民をエンパワメントする方法へ関心を寄せていただきました。

また、住民主体で活動を生み出せるよう応援していく仕組みの1つである、「おたがいさまワークショップ」においても、国籍や年齢を問わず、だれでも参加できるものに仕上げていくための知見も得ることができました。

今回の研究報告、ワークショップの実施にご協力いただいたみなさまに感謝いたします!この経験を、今後の取組に生かしていきたいと思います。

「研究交流編」はここまで。続編の「視察編」もお楽しみください。

※本視察は、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発(RISTEX)の平成27年度「プロジェクト間連携並びに国際展開促進イニシアティブ」追加助成を受けて実施しております。