「視察編」シンガポールを訪問しました(2016.01.11~16)

本プロジェクトの国内外の展開可能性をみすえ、海外との研究交流・国際共同研究促進を図るため、シンガポールへ交流・意見交換/現地視察を行いました。

この報告を「研究交流編」と「視察編」に分けて、ご紹介します。

>>「研究交流編」はこちら http://active-aging-community.info/?p=624

 

~「視察編」~

シンガポール国家社会福祉協議会(National Council of Social Service:NCSS)様にコーディネートをいただき、高齢者支援の実践を通して、地域コミュニティ形成と社会課題の解決を目指すNPO団体の活動を視察しました。

まず、The CFAA(in the City for All Ages )プロジェクトのメンバーであり、「研究交流編」でワークショップに参加してくださった

MontfortCareGoodlife! Makan ( 詳細はこちら>> http://www.goodlife.org.sg/ )と

Shunfu Resident’s Committee の the SCOPE (Self-Care on Health of Older Persons in Singapore)プログラム (詳細はこちら>> http://tsaofoundation.org/index.php/what-we-do/research-and-collaboration/programmes/self-care-on-health-of-older-persons.) を訪ねました。

※The CFAA プロジェクトは、高齢者が年齢を重ねても安全な環境で心身共に健康に暮らせるように支援していくことを目的に、シンガポールにある様々な団体が2011年にパートナーシップを組み、始まったものです。

朝、Goodlife! Makan のある Marine Terraceに到着すると、すでに人々が集まり、昼食づくりがはじまっていました。

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Makanとは、マレー語で「食事」という意味だそうです。

Goodlife! Makan は、この地域の公団(Housing & Development Board : HDB )に多く住む単身高齢者が、心身の健康を保っていけるよう、関わり、カンポン・スピリット(地域と周辺住民への愛着)を形成し、年齢を重ねても同じ場所に住み続けられるようにする、ということを目的としています。近くには市場やホーカーズと呼ばれる屋台もあり、活気のある場所です。

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ここは、公団(HDB)の日常的には使わない” Void deck”と呼ばれる1階部分をコミュニティキッチンに改装し、高齢者たちが自ら、料理をして食事し、片づけまで行うスペースにしています。

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ちなみにこの ”Void deck ”は、前日の「おたがいさまコミュニティワークショップ」にて「もったいない!」意見としてよく挙がっていました。

Goodlife! Makan がトライアルで始まった2014年6月には40名の参加だったのが、今では週に100名ものメンバーが集まっているそうです。

料理のほかにも、絵を描いたり、旧正月のお祝いの飾りを作ったりなどの活動をされていました。

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次に訪れたのは、Shunfu Resident’s Committeethe SCOPE programです。

the SCOPEは、55歳以上の方々を対象に、身体・精神の両方の健康を自ら維持するための意識づけをおこなうことを目的に、活動するプログラムです。

プログラムは6か月間のスケジュールが組まれており、その中で、軽い体操や、お話しなどがなされています。

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こういった体操やお話し会は、サロンといった形で日本でも行われているところがありますが、日本と異なる点は、プログラムが全て、複数か国語で行われるという点でしょうか。

活動は中国語と英語、ときにはマレー語で行われていました。板書も全て複数か国語での記載がありました。

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翌日は、Presbyterian Community Services Evergreen Circle Senior Activity Center (詳細はこちら>>http://www.pcs.org.sg/) を視察し、意見交換を行ってきました。

Evergreen Circle Senior Activity Center は、タンピネスという地域において高齢者が長く住み続ける、エイジング・イン・プレイスの実現を目的にHDBの中に拠点が設けられています。

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このHDBには、各部屋に緊急時のアラームや火災報知機がついています。ボランティアの方もお部屋まで足を運んでくれるようです。

住む方々にお会いすると「とても安心です。緊急アラームは使ったこともないし、これからも使うつもりはないけれど!」と笑顔で話してくださいました。

 また、センター内では言葉を学ぶ授業など、毎日のプログラムが組まれています。

周辺の学校から子供たちが訪れ、子どもと高齢者が交流できる機会も提供しています。

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視察を通し、文化や習慣の違いはあっても

心と身体の両方の健康を保ってこそ、エイジング・イン・プレイスが実現できること、

超高齢社会に向けた取組として、コミュニティづくりが見直されていること、

人と人とが協力しあい、おたがいさまで助け合っていくこと、

これらは、日本とシンガポールで共通しているのではないかと感じました。

一部の視察先の方々は、2016年3月に福岡市で開催される 第10回ACAP2016福岡大会(Active Aging Conference in Asia Pacific 2016)に、お越しいただく予定です。

(日本語)http://acap2016fukuoka.com/

(English)http://acap2016fukuoka.com/enindex/

今後も、交流を続けていきたいと思います。

「視察編」はここまで。前編の「研究交流編」もお楽しみください。

※今回の研究交流・視察に際しては、シンガポール国立大学(National University of Singapore)の日本研究学科(Department of Japanese Studies Faculty of arts and social Sciences)のタン・レンレン先生(Dr. Thang Leng Leng)、シンガポール国家社会福祉協議会(National Council of Social Service: NCSS )様に、コーディネートいただきました。

この場を借りて、お礼申し上げます。

※本視察は、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発(RISTEX)の平成27年度「プロジェクト間連携並びに国際展開促進イニシアティブ」追加助成を受けて実施しております。